日米外相会談「中国の防空識別圏設定認めない」毅然とした態度で対応する事で一致

日米外相会談「中国の防空識別圏設定認めない」毅然とした態度で対応する事で一致

日米外相会談「中国の防空識別圏設定認めない」毅然とした態度で対応する事で一致
7 日、アメリカを訪問してる岸田外務大臣はケリー国務長官と会談し、中国が東シナ海上に一方的に設定した防空識別圏に対し、それを認めず、毅然たる態度で対応する事で一致した。また、緊張が高まっている東アジア情勢について、ケリー国務長官は「 日中韓の 3 ヶ国が連携する事が重要だ 」とに認識を示した。

日米外相 アジア安定に連携

アメリカを訪れている岸田外務大臣は、ケリー国務長官と会談し、北朝鮮が軍事挑発に出るおそれが懸念されるなど、東アジアの安全保障環境は厳しさを増しているとして、日米両国が緊密に連携して地域の安定に取り組んでいくことを確認しました。

今回のアメリカ訪問は、岸田外務大臣の強い希望もあって実現しました。
去年 12 月に安倍総理大臣が靖国神社に参拝し、日米関係への影響を懸念する声も出ていたなかで、ケリー国務長官との会談は日米の結束を強調するものとなりました。

このなかで両外相は、東アジアの地域情勢について、北朝鮮が軍事挑発に出るおそれが懸念されていることや、中国が東シナ海で防空識別圏を設定したことを受け安全保障環境が厳しさを増しているとして、両国が緊密に連携して地域の安定に取り組んでいくことを確認しました。
そしてケリー長官が、北朝鮮への対応にあたっては、日米に韓国を加えた 3 か国の連携が重要だとして日韓関係の改善を促し、岸田大臣は粘り強く努力する考えを伝えました。
また岸田大臣は、ことし 4 月に予定されているオバマ大統領の日本訪問について、国賓として迎えたいという意向を伝え、今後具体的な調整を進めることになりました。

会談のあと、岸田大臣は記者団に対し「 改めて日米同盟が揺るぎないものと感じた。日米同盟の強化の方向性も確認できた 」と強調しました。
さらに会談では、在日アメリカ軍施設への環境調査を可能にするための新たな協定の締結に向けた交渉を今月11日に始めることで合意しました。

ケリー国務長官発言の背景は

ケリー国務長官は日米外相会談の後の記者会見で、「 アメリカは、同盟国、日本との間での条約上の義務を守ることを強調する。中国が設定した防空識別圏を認めないし、受け入れない。アメリカは、この地域における行動を変えるつもりはない 」と述べ、海洋進出の動きを強める中国が力によって現状変更を図ろうとする動きを強くけん制しました。

そのうえで、「 アメリカはアジア太平洋地域の繁栄と安定に向け深く関わっていく。こうした繁栄と安定を実現するには、船舶の航行や航空機の飛行の自由を含め、国際法を尊重することが不可欠だ 」と述べ、名指しは避けながらも中国を非難しました。

アメリカ政府は、中国が東シナ海の広い範囲に防空識別圏を設けたことや、中国の地方政府が南シナ海で操業する外国の漁船などに中国政府の許可を得ることを条例で新たに義務づけたことなどを挑発的だとして危機感を強めています。
また、安倍総理大臣の靖国神社参拝に対して、アメリカ政府が当初、「 失望した 」という声明を発表したことで、中国が日米同盟を分断する機会と捉えていることも警戒しています。

このため、ケリー長官の今回の発言は、国際法を順守すべきだとして中国に強く自制を求めるとともに、日米同盟の結束を強調するものとなりました。

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